投稿日:2017年11月7日 | 最終更新日:2023年4月24日
【日刊建設工業新聞:2017年11月7日1面記事より引用】
建設技能者の就業履歴や保有資格などを業界統一ルールで蓄積・管理する「建設キャリアアップシステム」の料金体系が決まった。技能者の登録料はインターネット申請2500円、郵送・窓口申請3500円。発行するカードの有効期限は10年とする。事業者の登録料は企業の資本金に応じ段階的に設定。利用料は全事業者が対象の「管理ID利用料」と、元請が対象の「現場利用料」の2種類を設ける。
官民でつくる「建設キャリアアップシステム運営協議会」(会長・田村計国土交通省土地・建設産業局長)の第2回総会が6日に東京都内で開かれ、システムを使う技能者の登録料、事業者の登録料・利用料が了承された。運用開始初年度で100万人、5年ですべての技能者に登録してもらう目標を前提とし、一定の運営上のリスクも加味して金額を設定した。
技能者の登録料はインターネット申請(2500円)と、郵送・窓口申請(3500円)とで分けた。技能者登録により発行するカードの有効期限は10年で、本人確認書類の未提出者は3年。有効期限内にカードの紛失や破損などで交換する場合は、発送費を含め実費相当(約1000円)の負担を想定している。
5年ごとに支払う事業者登録料は、企業の資本金別とし、資本金500万円未満(3000円)から、資本金500億円以上(120万円)までの11段階で設定した。対象は個人事業主を含むすべての事業者だが、一人親方は無料とする。
毎年支払うシステム利用料は、事業者情報の管理や技能者情報の閲覧などができる「管理ID利用料」と、現場に入りシステムを利用する技能者の就業履歴回数に応じて設定する「現場利用料」の2種類。管理ID利用料は1ID当たり2400円。現場利用料は技能者が就業履歴を取得する回数1回当たり3円。
事業者規模別のモデル試算(現場利用料は年間完成工事高1億円で技能者1000人日と仮定、年間完成工事高のうち7割の現場で就業履歴を蓄積と想定)によると、資本金1000万円・年間完成工事高1億円の事業者(1ID)は、年間の事業者登録料2400円、管理者ID利用料2400円、現場利用料2100円の計6900円となる。
資本金10億円・年間完成工事高100億円の事業者(5ID)は、年間の事業者登録料4万8000円、管理者ID利用料1万2000円、現場利用料21万円の計27万円。資本金500億円・年間完成工事高1兆円の事業者(50ID)は、年間の事業者登録料24万円、管理者ID利用料12万円、現場利用料2100万円の計2136万円となる。
会合では委員から、システム利用を促すため、前払いや割引の制度・仕組みの検討を求める意見が出た。システムのメリット・デメリットを地方を含め広く浸透させることの必要性も指摘された。