投稿日:2023年4月24日 | 最終更新日:2024年10月17日
要件確認の資料・各種証明書類を集めます
法定の申請様式の他に、ご自分、自社が要件を満たしていることを証明するための各種資料、書類が必要になるので、入手方法を含め、そのご説明をいたします。
以下に挙げるのは、あくまで標準的なケースの申請の場合であり、案件によっては特殊な証明をしたり、例外的な取扱いを認めてもらうため、これら以外にも必要なものがある場合もありますので、その旨ご承知おきください。
また、許可行政庁の審査の都合上他にも資料、書類を求められることもありますので、そのような場合は、行政庁の指示に従うようにしましょう。
なお、各種証明書類については、申請日の直前3か月以内に発行されたもの(残高証明書に関しては証明基準日(発行日ではないので要注意。)が申請直前1か月以内のもの。)に限られていますので、ご自分、自社の申請書の提出までの過程で有効期限が切れてしまうことがないよう、タイミングよく収集するようにしてください。
とくに残高証明書は証明基準日が申請直前1か月以内なので、申請書を作成するのに時間がかかりすぎてしまい、申請書提出の時点で有効期限が過ぎているということがないように注意してください。
経営業務の管理責任者の要件を証明する資料
① 常勤役員(個人である場合はその者又はその支配人)のうち1人が、次のいずれかに該当するものであること 1 建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者であること。 2 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者(経営業務を執行する権限の委任を受けたものに限る。)としての5年以上経営業務を管理した経験を有する者であること。 3 建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者としての6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者であること。 注):「建設業に関し」とは、全ての建設業の種類をいい、建設業の業種ごとの区別はありません。 |
※個人事業主としての経験と法人の役員としての経験を合算することができます。
※令3条の使用人(許可を受けた建設業者の支店、営業所の代表者として届出されていた者など)の経験も含まれます。
※法人の常勤役員の経験で証明する場合
履歴事項全部証明書・閉鎖事項全部証明書
※個人事業主の経験で証明する場合
対象期間分の確定申告書の写し
※法人役員の経験と個人事業主の経験を合算して証明する場合
履歴事項全部証明書と対象期間分の確定申告書の写し
注)1:この場合、様式第7号の書類は、個人事業主の経験のものと法人役員の経験のものを作成してください。(都合2枚必要)
上記資料で確認ができない場合、契約書又は注文書の写し等工事請負の実態及び業種 がわかるものを提出する必要があります。(対象期間において各年1件以上) |
ここでは、「一般の方が自分で建設業許可を取る」ことがテーマなので、原則的な要件の確認資料の記載のみにとどめておきます。
注)2:確定申告書の写しは、税務署の受付印のあるもの、電子申告の場合は、受信通知画面を印刷したものを提出してください。例として画像を挙げておきます。
専任技術者の要件を証明する資料
※指定学科を卒業+実務経験で証明する場合
許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し
大学の指定学科を卒業⇒卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し(原本提示が必要)と3年以上の実務経験を証明する実務経験証明書(様式第9号)
高校の指定学科を卒業⇒卒業証明書(原本)又は卒業証書の写し(原本提示が必要)と5年以上の実務経験を証明する実務経験証明書(様式第9号)
※国家資格者の場合
合格証明書、免許証の写しを申請書に添付して、提出時に原本を持参して提示します。
ただし、実務経験が必要な資格の場合は、実務経験証明書(様式第9号)も必要です。
「電気工事士免状(第1種、第2種)」、「消防設備士免状(甲・乙)」、及び「監理技術者資格証」については、写しを提出します。(原本の提示は不要)
※10年以上の実務経験で証明する場合
実務経験証明書(様式第9号)にご自身の経験内容について、記載例を参考に具体的に記載しましょう。この証明書の内容で、審査する側が業種の確認が困難と判断した場合、契約書又は注文書の写し等の追加資料を求められることがあります。
(ちなみに当事務所で申請した案件は、契約書の写し等の提出を求められたことはありません。)
定款の写し
法人の新規申請の場合は、定款の写しが必要です。
令和3年1月1日以降に提出する申請から、原本証明及び押印は廃止されていますので、押印の必要はありません。
ここで注意しておくことは、定款の目的欄において、建設業を営んでいるとわかるような文言があるかどうかです。法人の申請の場合は、ここが明確になっている必要があります。
登記されていないことの証明書
「登記されていないことの証明書」とは、被証明者が建設業許可の欠格要件である心身の故障により建設業を適正に営むことができない者ではないことを証明するものです。法人の役員、個人事業主及び令3条の使用人について必要になります。
全国の法務局・地方法務局(支所・出張所を除く)の戸籍課で、手数料300円分の収入印紙を添えて取得することができます。申請上の注意点として、「成年被後見人、被保佐人とする記録がない」の箇所に必ずチェックすることと、住所、氏名、生年月日に誤りがないよう気を付けましょう。
身分証明書
建設業許可申請に必要な身分証明書とは、成年被後見人又は被保佐人とみなされる者に該当せず、また、破産者で復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書のことです。
納税証明書
法人は「法人事業税」、個人は「個人事業税」の納税証明書で直近1年分の事業年度のものが必要であり、最寄りの県税事務所で取ることになります。
法人設立直後で、最初の事業年度が終了する前に新規許可申請をする場合は、決算期未到来として発行してもらいましょう。
履歴事項全部証明書
最寄りの法務局で全部事項証明書の履歴事項全部証明書というものを取ってください。
法人は必ず必要ですが、個人の場合も支配人登記をしているときは必要です。
岐阜地方法務局で取られる場合は、併せて同局の戸籍課で「登記されていないことの証明書」も取れます。
役員等確認表
これは、岐阜県独自様式の書類で、法人の場合は「役員等一覧表」(様式第1号別紙一)に記載した役員等、個人の場合は、事業主、支配人がいる場合は支配人について記載する書類です。記載例を参考にして作成しましょう。
営業所要件の確認資料
1.営業所の全景、入口付近、内部(什器・電話)が写っているものを任意の様式で作成して提出します。
2,その際、当該営業所を使用する権原を審査する側が確認できるように、当該営業所が自社(自己)所有又は賃貸借等であることの別を1で作成した書類に明記します。
財産的基礎の確認資料
申請時の直前決算期の貸借対照表の自己資本の額が500万円未満の場合は、預金残高証明書が必要です。有効期限については、本ページ冒頭で記載していますので確認してください。
健康保険等の加入状況の確認資料
※社会保険関係
①領収証書の写し、② 社会保険料納入証明書の写し、③ 健康保険・厚生年金保険資格取得確認通知書又は被保険者標準報酬決定通知書の写しのいずれかを提出します。
※雇用保険関係
① 労働保険概算・確定保険料申告書の写し及びこれにより申告した保険料の納入に係る領収済通知書の写し
② 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(事業主通知用)の写し、のいずれかを提出します。
法人番号の確認資料
法人の新規申請の場合に、必ず提出する必要があります。
国税庁から送付された「法人番号指定通知書」の写し又は「国税庁法人番号公表サイトの法人情報の画面を印刷したもの」を提出します。
当事務所で申請する案件については、「国税庁法人番号公表サイトの法人情報の画面を印刷したもの」を提出しています。国税庁法人番号公表サイト⇒
健康保険被保険者証の写し
経営業務の管理責任者、専任技術者の方は、常勤性の確認として健康保険被保険者証の写しを提出する必要があります。
個人事業主の場合は、国民健康保険の写しを提出することになります。
まとめ
許可要件を満たしていることを前提に、標準的なケースの申請の場合を挙げたつもりですが、冒頭でもご説明したとおり、これら以外にも必要なものがある場合もありますので作成・収集する過程で気になることがあれば、行政庁に確認するようにしましょう。