投稿日:2017年9月7日 | 最終更新日:2023年4月24日
【日刊建設工業新聞:2017年9月7日 2面記事掲載】
建設職人基本法の超党派フォローアップ推進会議(議長・二階俊博自民党幹事長)が6日、東京・永田町の衆議院第一議員会館内で開かれ、同法と6月に閣議決定した基本計画に基づく施策の検討状況を厚生労働、国土交通両省から聴取した。現在の取り組みと18年度予算の概算要求で盛り込んだ内容などの説明を受けた。
厚労省は、基本計画に基づき、一人親方の労災保険の特別加入への加入促進や基本的な安全確保対策のパンフレットを年内に策定・配布する予定を説明。墜落・転落災害防止対策の充実強化については、ハーネス型安全帯の使用の原則化や特別教育の義務化などを内容とする安全衛生規則、構造規格などの改正を本年度末から来年度初めにかけて行う方針も示した。来年度予算では、一人親方の特徴的な行動様式を踏まえた安全衛生教育用テキストの作成や安全衛生教育を実施する。
国交省は、安全衛生経費の適切かつ明確な積算、明示、支払いを促進するため、民間工事での実態を把握した上で、実効性ある施策を検討する経費を18年度予算に要求した。厚労省と共同で都道府県計画の策定を促進する地方ブロック会議を設置することも説明した。
超党派会議の櫻田義孝幹事長(自民党)は、「基本計画が現場に役立つようにすることが必要だ」と指摘。井上義久議長代行(公明党)は、「業界各団体から話を聞きながら、法律に魂を入れられるよう地道に取り組んでいきたい」とした。
会議に出席した全国仮設安全事業協同組合(アクセス)の小野辰雄理事長は、安全経費の確保に必要な標準見積条件の提示書の標準型を提示。国交省は、今後進める安全衛生経費に関する検討作業の中で「念頭に入れる」(田村計土地・建設産業局長)と応じた。