投稿日:2026年3月16日 | 最終更新日:2026年3月17日
「経営事項審査(経審)」とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする建設業者が、必ず受けなければならない審査制度のことです。公共工事の入札参加資格を得るための「客観的事項」の審査にあたり、企業の経営規模、経営状況、技術力、社会性などを全国統一の基準で点数化(総合評定値:P点)します。
受審しない場合のリスク
公共工事を直接請け負う(発注者と請負契約を締結する)には、有効な経営事項審査の結果通知書を保持していることが義務付けられています。
● 受注の禁止:審査を受けない又は有効期限を切らした場合、公共工事の請負契約を締結できません。
● 罰則の適用:申請書類に虚偽の記載をした場合、6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処されるほか、営業停止などの行政処分(30日間の営業停止等)の対象となります。(建設業法第50条等)
申請のタイミングと有効期間
公共工事を切れ目なく受注するためには、毎年の定期的な受審が不可欠です。
● 有効期間:審査基準日(決算日)から1年7ヶ月間です。
● 申請期限:有効期間が切れる前に次の結果通知書を受け取れるよう、毎年決算終了後4ヶ月以内を目安に申請するのがベストですが、遅くても有効期限が切れる2~3か月前までには申請を完了するようにしましょう。
● 審査基準日:原則として申請日の直前の決算日となります。新しい決算日を迎えてしまうと、以前の決算日を基準とした審査は受けられません。
評価項目(P点)の構成要素
総合評定値(P点)は、以下の5つの項目の合計点(ウェイト付けあり)で算出されます。
X1(経営規模):種類別年間平均完成工事高。
X2(経営規模):自己資本額、利払前税引前償却前利益。
Y(経営状況):純支払利息比率や負債回転期間など、財務指標の分析。
Z (技術力):技術職員数、元請完成工事高。
W(社会性等):社会保険の加入状況、建設業退職金共済(建退共)制度の導入、最新の加点項目など。
【重要】最新の加点トレンドと制度改正
令和5年以降、担い手の確保や災害対応力の強化を目的とした大幅な改正が続いています。
● CCUS(建設キャリアアップシステム)の評価(W点):就業履歴を蓄積するための措置(カードリーダーの設置等)を実施している場合に加点されます。
● ワークライフバランス(WLB)認定の加点:えるぼし認定、くるみん認定、ユースエール認定の取得が評価対象となりました。
※令和7年・8年の展望
● 建設機械の加点対象拡大:従来の9機種に加え、令和8年改正により不整地運搬車やアスファルトフィニッシャーなども対象に含まれ、災害対応力がより評価されるようになりました。
● 社会保険項目の削除:令和7年10月以降、社会保険加入が許可要件化されたことに伴い、経審の審査項目からは削除される予定です。
● 自主宣言制度の新設:令和8年7月より「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」への登録状況が新たな加点項目として追加される見込みです。
注意点
※決算変更届が受理されていない状態では、経営事項審査の申請はできません。
※「経営状況分析結果通知書」が手元に届いてからでないと、自治体への本申請は行えません。
参照元(国土交通省・中部地方整備局・岐阜県)
● 令和7年12月版経営事項審査の手引き(岐阜県)
● 経営事項審査の改正について(国土交通省)















